不動産の名義変更(相続登記)の手続き
不動産の名義変更(相続登記)とは、相続財産である土地や建物の名義を変更する手続きです。
この手続きを怠ると、その土地や建物の所有権を主張することができないケースが出てきます。
しかし、この相続登記手続きには義務がなく、明確な手続期限も定まっていないために、名義変更をしないまま放置してしまう方もいらっしゃいます。
それでは、相続登記をせずにそのまま放置しても問題はないのでしょうか?
【相続登記をしないデメリット】
その相続財産(不動産)に関する自分の権利を、他人に主張することができなくなる恐れがあります。
仮に、自分がその不動産を全て相続すると遺産分割協議書に書いてあっても、その相続登記がされていなければ、自分の所有権を100%主張できない場合があります。
それは、他の相続人が自分の持分を何も知らない第三者に勝手に売却して所有権の移転登記をしてしまうという場合です。
相続で100%の所有権を継承した本来の持ち主であっても、何も知らない買主に対しては、「自分の不動産だから返せ!」と言えないのです。
相続をした不動産を売却したり、その不動産を担保に融資を受けたりすることもできません。
相続財産の名義変更(遺産分割)を終えてない場合は共有財産となるので、共有者全員の合意がなければその不動産の売却ができません。
相続人の誰かに返済のできない債務があったり、税金の滞納がある場合に、その相続人の持分が差し押さえられる可能性があります。
不動産の名義変更に必要な書類
亡くなられた方(被相続人)の書類
1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等 ※相続人を確定するために必要です。
被相続人の死亡した旨の記載がある戸籍謄本は1通ではありません。
原則、生まれてから亡くなるまでの連続した全ての戸籍謄本を集めなければなりません。
また、転籍(本籍地の変更)や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村役場で除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。
これらの戸籍集めは一般の方でも可能ですが、何回も転籍されているような場合や遠方の市区町村に請求しなければならない場合、手続きはかなり煩雑になり、時間もかかります。
例えば、生まれた時点では東京都に本籍があり、結婚時に静岡県に本籍地を移し、転勤で愛知県に本籍を変更した場合には、最低でも3ヶ所(東京都、静岡県、愛知県)それぞれから除籍謄本、戸籍謄本を取り寄せる必要があります。
実際には、まず亡くなった時点での本籍地で除籍謄本を取り寄せ、そこから一つずつ前の戸籍をたどっていくこととなります。昭和初期以前の戸籍となると、書式も現在のものとは異なり、書かれている内容や時系列を読み解いていくだけでもとても大変です。
2.除票 又は、(除かれた)戸籍の附票の写し
登記の記録上の住所と照らし合わせることで、亡くなった方と登記記録上の人物が同一かを確認します。
相続人の書類
1.法定相続人全員の戸籍謄本
相続人であること及び現在も生存していることを証明するためです。
2.遺産分割協議書
遺産分割協議をした場合に必要になります。
3.法定相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議に添付します。
4.相続財産をもらい受ける相続人の住民票の写し
相続人の住所地を確認するために必要です。
5.相続する不動産の固定資産評価証明書(一番新しい年度のもの)
相続登記に課税される登録免許税を計算するために必要です。
6.相続する物件の登記事項証明書
相続登記を申請する準備として、不動産の内容を確認したり、被相続人名義の不動産かどうかを確かめたりするためです。ケースによっては、上記の書類以外にも書類が必要な場合があります。
限られた時間の中で、これらの書類を全て集めるのは相当な労力を要します。
また、戸籍謄本等の収集などにおいて、少しでも不備があると、再度、役場へ行き、取得し直す必要が出てきます。
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当事務所では、戸籍謄本などの必要書類の収集から登記にかかる費用の見積もり、実際の登記手続きまでまとめてサポートいたします。
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