相続税調査の特徴とさまざまな手法 現地調査の確認事項
4 現地調査の確認事項
相続税調査における現地調査とは、相続財産である不動産について、書類や平面図等では確認できない事項を現地に行って現況を確認し、その評価要因が申告内容に合致するものかどうかをチェックする調査をいう。例えば、自宅を訪問した際に立派な塀があれば構築物としての漏れがないかとか、庭園の状況を確認したり、所有しているアパートの入居状況や貸地の利用状況の確認をしたりすることである。現地調査の結果、申告地積(登記簿)よりもかなり広い土地(縄伸び)が一目で認識できたというケースもある。
現況地目
・申告された農地が、宅地や駐車場になっていないか。
・申告漏れや未登記の建物・構築物はないか。
利用単位
・不特定多数の者が利用している道路であるか、あるいは私道か。
・実際の利用単位に則して評価しているか。
地がた (形状)
・正面路・側方路・奥行距離等は適正か。
・縄伸びはないか。
・不整形地はないか。
・著しく狭い土地か。
道路付け
・無道路地か。
・接道義務を満たしているか。
・道路との間に水路はないか。
傾斜地
・がけ地か、傾斜度は適正か。
宅 地
・自用地・貸付地・貸家建付地か。
・建物の敷地であるか。
・借地権の存ずる宅地か。
・貸家は空き家ではないか。
・庭園設備の申告は適正か。
・申告漏れの立竹木はないか。
農 地
・自用地・貸付地か。
・作付け耕作物は何か。小作地 (耕作権) はないか。
・造成費 (土盛費 土止費等)は適正か。
山 林
・造成済別荘地でないか。
・立木は申告されているか。
利用価値の著しく低下している宅地であるか。
・付近にある宅地に比し著しく高低差のあるものか。
・振動や騒音騒音、日照障害、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けるものか。
高圧線下の宅地ではないか。
地下に地下鉄のトンネルがあるか。
温泉権が設定されていないか。