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(友野会計事務所)

相続時精算課税制度適用者に対するお知らせの送付(試行)について【東京国税局のみ】

2023/06/30
2023/06/30

令和5年度改正で年間110万円の基礎控除が創設されて適用者の増加が見込まれる相続時精算課税制度ですが、同制度の適用を受ける贈与財産については、相続税の申告に当たり、相続財産に加算して相続税額を計算する必要があります。同制度を適用したことを忘れている方も多く、相続税の申告において相続財産への加算漏れとなっている事例が散見されるそうです。
そのため、東京国税局独自に行政指導の一環として同制度を適用している方に対して、相続税の申告期限前にお知らせを送付する取り組みを始めました。

1.相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、子が親から財産の贈与を受けた際に、いったんはその分の贈与税を仮払いしておき、贈与者である親が亡くなった時に、贈与を受けた財産の額を相続財産の額に戻して相続税の金額を計算し、その金額から仮払いした贈与税の金額を差引いた残りの金額を相続税として納付するという制度です。

なお、仮払いした贈与税の金額の方が最終的な相続税の金額よりも多い場合は、相続税の申告をすることにより、払いすぎた税金を返してもらうことができます。

相続時精算課税制度には2500万円の特別控除枠がありますので、贈与を受けた金額がそれ以下の場合は、贈与税の仮払いは不要となります。ただし、この特別控除枠は暦年贈与の基礎控除額(110万円)とは異なり、相続時精算課税制度を選択してから贈与者が亡くなるまでの通算金額です。2500万円の特別控除枠を超える贈与については、一律20%の贈与税がかかります。

相続時精算課税制度ついてはこちら>>https://saitama-souzokuzei.com/page-2205/page-2210/

2.相続時精算課税制度適用者へのお知らせ送付について

過去の贈与税の申告事績を基に、相続税の申告案内の対象となった被相続人から相続時精算課税制度に係る贈与を受けた受贈者の方に、お知らせを送付するものです。
そのため、お知らせは相続税の申告案内(死亡届等を提出した方に送付)とは異なり、あくまで精算課税に係る贈与を受けた受贈者に送付されます。
また、送付時期は概ね相続税の申告期限の3か月前を目途に実施される予定です。
(令和4年 10 月相続開始分から)

3.留意事項

このお知らせは相続時精算課税制度の適用者全員に送付されるものではありません。
相続税の申告案内の対象になっていない場合や、相続時精算課税制度を適用した受贈者(相続人等)が東京国税局の管轄外に居住している場合などは送付の対象外となります。

例えば、相続人が複数いる場合で、東京国税局の管轄内に居住する相続人と同管轄外に居住する相続人のいずれの方も同制度を適用している場合には、いずれの方も送付対象から除かれます。

よって、「本件お知らせが届かない=相続時精算課税適用財産がない」ということではないため、相続税の申告に当たり、相続時精算課税適用財産の加算漏れがないか確認をする必要があります

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