相続税の調査は秋がシーズン
相続税の調査は秋がシーズン
最終更新日:2022/08/18
秋は本格的な税務調査がスタートします。
新型コロナの感染拡大で2年間踏み込んだ実地調査が実施されていませんでした。
今夏はオミクロン株亜種が大流行し、未だに感染が落ち着く気配が見えませんが、
税務当局は過去2年分の実地調査の遅れを取り戻すべく、
ターゲットをしぼりあらゆる方法で富裕層を狙い撃ちしてくる可能性が高くなることが予想されます。
相続税は、当局の調査が入れば9割は否認される状況で、
当局にとっては非常にコスパが良い税目です。
令和2年度(令和2年7月~令和3年6月)の相続税の実地調査は5106件で前年度10635件の52%減、申告漏れ課税価格も3048億円から1785億円と41%減少しています。
その反面、1件当たりの追徴税額は令和2年度は943万円となり、
前年度の641万円から47%増となりました。
これは、大口・悪質な不正が見込まれる事案を当局が優先して調査した結果で、
過去10年間で最高となりました。
遺産3億円以上は3割、7億円以上になると4割の確率で実地調査の対象になっています。
資産5千万円未満の調査は1%未満であることから、
富裕層に絞って調査が行われていることは明らかです。
遺産総額 | 実地調査率 |
---|---|
7億円以上 | 40% |
5億円以上7億円未満 | 35% |
3億円以上5億円未満 | 32% |
5千万円未満 | 1%未満 |
また、実地調査以外にも電話や書面で来所依頼による「簡易な接触」による調査は、
令和2年度は13,634件(前年比58%増)となり、申告漏れ課税価格は560億円(前年比31%増)、
追徴税額65億円(前年比55%増)となりました。
実地調査の代わりに簡易な接触調査で実地調査の件数の減少を補っています。
国税庁HP「令和2事務年度における相続税の調査等の状況」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/sozoku_chosa/pdf/sozoku_chosa.pdf