「路線価」2年連続上昇 北海道が上昇率トップに 背景には?
相続税や贈与税の算定基準となる土地の価格、2023年分の「路線価」が7月3日に公表され、全国の調査地点の平均は昨年を1.5%上回り、2年連続の上昇となりました。
商業地や観光地などで大きく上昇した一方、オフィス需要の低迷が続く東京都心では横ばいやわずかな上昇にとどまり、新型コロナの影響からの回復傾向に差が出る結果にもなっています。
路線価とは
路線価は、その年の1月1日時点で国税庁が算定した全国の主要な道路に面した土地の1㎡あたりの評価額で、相続税や贈与税の計算する基準となります。
今年の路線価は調査対象となった全国の約31万6,000地点平均は、昨年に比べて1.5%上がり、2年連続で前の年を上回りました。
国税庁は、新型コロナに伴う行動制限や入国制限が緩和され商業活動が活発になっていることや、インバウンド需要の高まりなどが背景にあるとみています。
都道府県別の平均では、25の都道府県で昨年を上回り、最も上がり幅が大きかったのでは北海道の6.8%、ついで福岡県の4.5%、宮城県の4.4%でした。
都道府県庁所在地の最高価格も昨年の2倍近い29都市で上昇し、岡山市の市役所筋は9.3%、札幌市の札幌停車場線通りは8.4%、さいたま市の大宮駅西口駅前ロータリーは8.0%上昇しました。
全国で最も高いのは38年連続で東京・銀座5丁目の銀座中央通りで、4,272万円と3年ぶりに上昇に転じ、上げ幅は1.1%でした。
全国的に、再開発の対象地域やその周辺に加え、商業地や観光地などで大幅な上昇が目立つ一方、オフィス街として知られる東京の千代田区や中央区、港区などでは税務署ごとの最高路線価がいずれも横ばいやわずかな上昇にとどまり、回復傾向に差が生じる形になりました。
国税庁 令和5年分都道府県庁所在都市の最高路線価
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/rosenka/01.pdf