狙われやすい名義預金
狙われやすい名義預金
最終更新日:2022/09/20
前回のコラムで、秋は税務調査のシーズン。ターゲットをしぼりあらゆる方法で
富裕層を狙い撃ちしてくる可能性が高くなることが予想されます。と紹介しました。
税務調査において『名義預金』は、相続税の申告漏れも多く、
必ずと言っていいほど調査の対象になります。
『名義預金』とは、配偶者や子・孫などの名義になっているが、
被相続人が生前に通帳を管理・運用し、名義人の知らない状況で
入出金をしていた預金などをいいます。
例えば、子供の為に毎年110万円の基礎控除の範囲内で、
子供の名義の口座に入金されていたような場合や、
夫の給与を妻名義の口座に徐々に移行し、
相続が発生した時点で妻名義の預金が多額になっていた場合には、
税務調査時に指摘される可能性があります。
税務調査においては、被相続人と相続人の口座の入出金状況を数年間にわたって調査されます。
きちんとした手順を踏まずに贈与や預金を行ってしまうと
知らず知らずのうちに名義預金に該当してしまうこともあります。
名義預金に該当するかの判断基準は、
① 預金のお金の資金源は?
⇒被相続人がお金を出していたのか?
② 誰が実質的に口座を管理していたか?
⇒印鑑や通帳の保管、使用がどのようにされていたか?
名義人が自由に預金の引出しや運用ができたか?
③ 贈与の事実を証明できるか?
⇒被相続人からの贈与の場合、贈与契約書等贈与の事実を証明できる書類があるか?
以上のようなものがあります。
名義預金がただの申告漏れではなく、意図的な隠し財産とみなされてしまうと、
重加算税という多額の追徴課税が課せられる場合もありますので、
調査に備えて事前の準備と心構えをしておきたいです。
申告漏れ相続財産の金額の構成比の内訳をみると、現金・預金等39.2%と有価証券9.3%
土地7.9%家屋2.4%の合計19.6%の2倍程度になっています。
国税庁HP「令和2事務年度における相続税の調査等の状況」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/sozoku_chosa/pdf/sozoku_chosa.pdf